こんにちは、映像翻訳者のル・モンです。
英語のライティング力をあげたい!っていう人は多いと思います。実際、私も常にそう思っています(笑)。
早く上達するには、やっぱり数をこなすことがマストですよね。
やっぱり添削サービスとか使って毎日練習したほうがいいかな?と考えている人もいるのではないでしょうか?
結果から先に言うと、そこにお金を使う前に、独学でもライティングスキルを劇的に上達させる方法があるのです。
私は翻訳の仕事をしていますが、ライティングには絶対押さえておくべきポイントがあるので、どんなタイプのライティングでもそこは常に意識しています。
ライティングスキルをあげたい!
試験の英作文を攻略したい!
添削サービスを使わずに独学でなんとかしたい!
英語ライティングと言っても、試験で書くような英作文や、企業のリリース、メールや紹介文のようなもの、日記など種類が色々ありますよね。
その中でも、身につけておくと他のライティングにも生かせる、試験対策としての英作文、いわゆるエッセイを書くための勉強法を紹介したいと思います。
【英語ライティング】確実に上達する独学勉強法
英語ライティングのために添削サービスを使って強化しているという人もいると思います。
ネイティブをはじめ、客観的に見てもらうことはとても有効な手段だと思います。
でも、いくら添削してもらっても、大事なポイントを押さえずにライティングスキルは身につかないと思うのです。
ライティングスキルを向上するポイントは3つあります。
・語彙力 ・文法知識 ・主張する内容
基本的に英作文というのは「論理的な組み立て方」をした文章です。フォーマットが決まっています。その書き方さえ覚えてしまえば、250語前後のエッセイはそう難しくないのです。
何がエッセイの良し悪しを左右するかと言えば、そう、先ほどの3つのポイントが反映される個人の力量です。
そのため、ライティングスキルを上達するにはその3つのポイントに絞った対策をすればよいということです。
それぞれのポイントに合わせて、勉強するコツを見ていく前にまずは英作文のフォーマットを簡単に説明します。
英作文の論理的な組み立て方とは
エッセイ全体の語数、長い短いに関わらず、フォーマットはこんな感じです。
① Introduction (導入パート)
② Body 1 (本論1)
③ Body 2 (本論2)
④ Body 3 (本論3)
⑤ Conclusion (結論)
基本的には最初の導入で自分の主張を書き、それをサポートする具体例などを本論で展開し、最後に再び自分の主張を持ってきて結論にするという構成になっています。
250語前後だったら、それぞれのブロックで5~6行書いたら丁度良いくらいだと思います。これが1000語になっても、フォーマットは変わらず、本論に持ってくるパートを増やす=主張をサポートする論点を増やすイメージです。
同じフォーマットならコンテンツで質が決まる!
この記事では試験に出てくるライティング問題を想定した対策を考えていきます。
先ほど書いた通り、英語ライティングには基本的な構成で書くというルールがあります。
本や映画でも言えることですが、同じテーマだとしても優劣をつけるとしたら、その作品の表現や切り口、解釈が判断基準になりますよね。
英作文でも同じです。
同じテーマ、同じ構成で書くのであれば、切り口(解釈と主張、論点の充実度、サポート展開)と表現(語彙レベル、文法)などに注目し、英語の運用能力で評価することは至極自然です。
スキル向上ポイント①語彙力
もちろん、語彙力が高く、自由自在に使えることに越したことはありません。
ただ、250語前後のエッセイを書くことを目的とした場合、もう少し具体的に「押さえた方がいい語彙の種類」があります。
文をつなげる表現を覚える
まず、先程のフォーマットに照らし合わせ、各ブロックの出だしや文中に使える「導入」や「切り返し」に使える表現を覚えます。
例えば、導入フレーズ。 最初に自分の立場を明示するために使える一般的な表現を覚えます。
・In my opinion, I would like to say that ~
・I agree (disagree) that ~
・I believe (don’t believe) ~ / I think (don’t think) ~
そして各パラグラフの最初や、反対の意見を述べる切り返しに使えるフレーズを覚えます。
・Firstly / secondly / thirdly / finally
・In addition / moreover / furthermore ~
・However ~
・Although / even though ~
・Nevertheless ~
・Therefore ~ / thus ~
・For these reasons ~
・Despite the fact that ~
・In spite of ~
・In conclusion ~
肯定文、否定文などスムーズな文章展開に必要です。文頭には向かない、または使えない表現もあるので自分が使うひな型として何パターンか覚えてしまいましょう。
パラフレーズを覚えよう
英文では、同じ言葉を繰り返すよりも、同じ意味を持つ言葉で言い換えるテクニックが好まれます。
Thesaurus (シソーラス)類語辞典は私もよく使います。ネットでも検索できるので便利です。
また、句動詞を使いこなせると強いと思います。
延期する → postpone = call off
↓
一時中止する → suspend
普段のニュースや口語にもよく使われる句動詞は、call、take、 putなどシンプルな単語と組み合わせて色々な意味を持つものが多いです。混乱しないようにきちんと覚えましょう。
ワードチョイスを考えよう
同じ内容を伝える文章でも、使われている単語表現によって印象は変わるものです。
その単語の選択を間違うと、微妙に意図したこととズレてしまうリスクもあります。
英文は基本的にclear (明確で) concise (簡潔で) compelling (説得性のある) が好まれます。
極端な例ですが、I want to go to the moon! は、I chose to go to the moon! だったら、後者の方が具体的でより決心のニュアンスがでますよね(笑)
「行きたいんだ!」よりも「行くことにした!」の方が、実現できそうな、強いリーダーシップを発揮できます。
このように、エッセイでも1つの単語の選択の違いで、そのトピックのニュアンスが意図せず曖昧な表現になる可能性もあるので注意が必要です。
イディオムの知識
試験のライティング問題にでてくるようなテーマにはあまり必要性はないように感じますが、イディオムなども自然なカタチで取り入れた文章はレベルが高いと思います。
英語圏ではキリスト教由来の表現も多いです。Good shepherd や the Revelation, Good Samaritan のような聖書に出てくるような表現も英語圏の新聞や雑誌などに出てくるので知識として持っていてもいいかもしれません。
英語とは関係ないですが、エヴァンゲリオンなんかもキリスト教関連の用語が使われていますよね。
スキル向上ポイント②文法知識
文章に説得力を増すには数字や具体例があるといいですよね。
でも、基礎的な文法知識に穴があると、伝えたいことがきちんと表現できません。
なぜ、ここに前置詞が必要なのか、こう言いたい時には文章の語順はこうするといいというような知識は必須です。
そのため、この文法はちょっと自信ないな、と感じたらすぐにチェックできるように文法書は必ず1冊手元に置いておきましょう。
あくまでも、試験のライティングで強化するべきポイントは「いかに論理的で説得できる文章を書くか」に集中することで、使っている文法が正しいかどうか、一か八か不安がある文章を書くことではないからです。
語順も意識しよう
ワードチョイスも関係しますが、同じ内容を伝えている文章でも、語順や表現が違うだけで読み手の印象は変わりますよね。
When the rain became heavy, the game was announced to be cancelled.
The game was cancelled due to heavy rain.
どっちが適切か、はそのライティングの目的やテイストにもよるので一概には言えません。
エッセイでは論点を強調し、全体を通して意図がクリアに伝わるかを意識することが大切です。
字数を稼ぐことだけを目的に「冗長で回りくどい」文章は避けた方がベターです。
説得性を増すための文法
構成でBody(本論)にあたるところには、自分の主張をサポートする内容を書きます。
ここでのポイントは、比較や程度の表す時に使える文法です。
説得性を高めるためには、具体的な数字や例えを使い具体的に表現することが効果的です。
例えば、more than 〜 や、not only but also のような何かを比べる時に使うような表現や、significant, major, tremendous, considerably などの大きさや深刻さなどの度合いを表す言葉は押さえておきましょう。
また、仮定法などを含め、推論を展開する時に使える文法もチェックしておくといいと思います。
スキル向上ポイント③主張する内容
賛成か反対か、アリかナシか、これについてどう思う?ような意見交換は仕事やプライベートでもよくありますよね。
試験だと、テーマに沿ってお題があり、それに対して「自分はこっち派、だってこうだから」というように、片方に振り切ってしまっていいパターンが多いと思います。
「両方それぞれこんないい点悪い点あるけど、自分はこっち」のような、両サイドを比較しなくてもいいので、たとえ本心がそう思わなくても(笑)論点がきちんと説明できる方の意見を採用すればいいのです。
ただ、ここで主張をサポートするだけの「論点」が思いつかない人、足りない人は苦しいですよね。
そんな人におススメなのが「ネタ帳」づくりです。
ネタ帳を作って意見をストックしておこう
特定の試験対策としてなら、過去問などから出題傾向が分かるのでそれに沿ったテーマなどに対してある程度自分が答える内容の準備ができますよね。
テーマを見て、瞬時に色々な角度に思考を巡らせることができる人なら、語彙や文法知識を強化するだけでこの方法は必要ないかもしれません。
でも、自信がない人は是非普段からニュースや身の回りの物事に関して意識してみてください。
そして、何でも良いのでその物事に対して自分の感じたことを言語化するクセをつけてみましょう。
例えば。。。
「SDGs」 → 動きが加速してきた → 自分は何ができるのか → あの活動は支持できるが実際に効果があるのか → 逆にこちらの面では悪影響になるかもしれない → こないだ観たドキュメンタリーでは違う事象を取り上げ分析していた → 全体を考えたらあの活動は反対だ
何でもいいのですが普段見聞きしたものを自分目線でノートでもスマホでもいいのでメモすることがおすすめです。
「なんかあれは嫌だな」「あれは魅力的だな」など、好き嫌いベースでも構いません。
気になったことはとりあえずメモ。数字や言葉もそうです。
後で深掘りして追記したり、自分だけのオリジナルノートにしてしまいましょう。
この断片集が自分の意見と合わさって主張として使える「ネタ帳」になります。
ネタとしてストックしておくと、試験のエッセイテーマに合わせて使える要素を組み立てたり、それをヒントに違う論点を書いたりできると思います。
仕事で意見を求められた時にも使えるので、「何書いていいか分からない」という人には是非おすすめです。
添削サービスの必要性
ライティングスキルを強化するのに添削サービスを使う必要があるのかという点について書いてみたいと思います。
結論から言うと、個人的には不要ではないかなというスタンスです。
もちろん、誰かに客観的に自分の文章を見てもらう事はとても有効な手段です。でも、サービスを受ける側が、ある程度、文法知識や語彙力を磨いたうえで添削してもらうのでなければ、コスパがかなり悪いなという印象です。
・添削してもらっても、なぜ自分の文章だと間違いなのかの理由が分からず次につながらない。
・添削する側の力量によって、添削内容の質に差がある。
・無料やトライアル版は数100語程度のところが多く、それだけだとサービスの質が自分が求めているものとマッチするのか謎。
・正直、有料でお願いするなら、正式な文章が必要な時だけなどで十分な気がする。
・数回ならともかく、試験対策として長期で使う予定なら、その試験専門のクラスや通信講座にその費用を使い、そこの先生に添削してもらった方がいい。
個人的には日記のような、いわゆる随筆をお金を払ってまで添削してもらっても意味がないと思っています。
試験対策のライティングの場合、自分で試行錯誤して本番さながら一本書いてみてそれを添削してもらう、ということであれば結果によって、自分で作り上げた「ひな形」が通用するのかチェックできるのでまだいいのかもしれません。
「なぜ違うのか」「あの文章のどこが間違っていたのか」「ニュアンスがどう変わったのか」など、自分で考えて納得できなければ効果がないと思います。
そいうのは、独学で十分カバーできる範囲だし、日記のような文章で、「こういう時はこのように書いたらいい」と代案を書いてくれたとしても、それはほとんどリライトであり、翻訳の域です。そうすると、文脈によって表現は人によってさまざまです。だから「正解」はない。それを習うなら、翻訳スキルを身につける学校や通信講座にお金をかけたほうがコスパがいいという考えです。
ちなみに、自動翻訳を使った添削サービスは個人的に今の時点では微妙です。今後10年で6Gやテクノロジーの進化と共に使えるものができてくるのかと思いますが、経験上、契約書などの定型的な文章でない限り、日→英はクオリティにまだまだの印象です。
その辺りを念頭に置いて使わないと、添削してもらっても学べることは少ないかもしれませんね。
英語ライティングの独学におすすめの1冊
自分が使ってよかった英語ライティングの基礎が分かる本を1冊紹介します。
これは英検1級のライティング対策本ですが、この1冊で基本的な英文フォーマットや、テーマごとに押さえておきたい語彙レベルなども把握できるのでおすすめです。
お手本となるエッセイも多数載っているので、接続詞の使い方やトピックの展開方法など自分が使いたいひな型をつくるために参考になります。
コスパがいい本なので、是非チェックしてみてくださいね。
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英作文でのポイントは「明確に簡潔に説得力がある」文章を、論理的なフォーマットに当てはめて書くことです。
そして、3つのポイントを強化することでライティングの質を高めることができます。
・語彙力 ・文法知識 ・主張する内容
表現したい内容に必要だと思う語彙は身につけた方がいいし、文法がそもそも破綻していると伝わらない。ここは基礎として、必要なので単語帳や文法書で書く練習をしながら自分が足りないと思うところを補っていきましょう。
ライティングというのは4技能の中でもハードルが高いですよね。でも、独学でも3つのポイントは十分磨くことができます。今回は3つのポイントと勉強のコツについて紹介しました。

											
						
						
						
																	
						
						
						
																	
						
						
						
																	
						
						
						
																	
						
						
						
																	
										
					
									